由無し事

とりとめのない事を書き留めます。

【観劇記録】寝盗られ宗介 4/17昼公演

寝盗られ宗介 於:大阪松竹座

昼公演(11:00〜)
2階 7列 中央付近
二幕。幕間は35分。
客層 女性が圧倒的に多い。
 

【舞台機構】
思い出したら追記します 笑
照明効果がとても効果的でした。

【あらすじ】
東北地方のとあるのどかな町。
客のざわめきをよそに北村宗介一座の宗介は、座員のマナブと駆け落ちした一座の看板スターで
女房のレイ子を待っていた。
レイ子の父親の留造やレイ子の後釜におさまろうとする晴江らを前に、
実は自ら駆け落ちを画策した宗介は「帰って来る!」というばかり。
なんとかして間をつないでいるうちにレイ子が帰って来た。
そしてレイ子が舞台に立つや客は彼女に見とれ、ため息と涙の大合唱となった。
宗介は、間男のマナブに寛大に接し、また、レイ子をやさしく受け入れることで“勝った”と感じ、
そのことでレイ子への愛情を昂揚させているのだった。

宗介の実家は、花巻で建設会社をやっており、女グセの悪かった父親は、
現在は病院で寝たきりとなり、もう長くない。
宗介は、ちょうど新しく建つ地元のホールでの杮落としを頼まれ、
そこで、嫁さんを連れて帰ると約束していた。
しかし宗介は、照れから再び駆け落ちをけしかける。
二人を見送る晴江は微笑み、座員のすずこやジミーも一座を出て東京へ行くと言いだす。
そんな一座がガタガタの状態で、花巻公演を迎えるが、当日になってもレイ子は戻って来ない。
会場には病床の父親も点滴、酸素吸入をしながら駆けつけ、いよいよ幕があがり、
舞台で宗介が渾身の演技をするがレイ子は帰らず…。

ついに宗介は父親との約束を守るべく一座のリリーと式をあげることを決意するが、父親の容態が急変。
そして舞台には万雷の拍手に迎えられたピンスポットが灯るだけ…。
果たしてレイ子は帰ってくるのか…。(松竹公式サイトより)
マナブ→ノブオ、晴江→サキと、一部の役名は役者さんの名前に変わっていた。ジャニーズ方式だ!
 
宗介とレイコ、そして一座を取り巻く現在の話に宗介一座が演じる演目「寝盗られ宗介」が入り混じり、虚実綯い交ぜとなり話は進んでいく。
 
 
座組の薄さにより、主役級の2キャラを1人が兼ねていたり(“下男実ハ将軍”とか歌舞伎を彷彿とさせる)そのせいでよく展開が分からなくなったり、なかなか無茶苦茶な劇中劇だが、実はこれが後々の展開に大きく影響してくる。
 
宗介の性格とレイコへの愛情が主軸で語られているが、もう一つのテーマとして、「共同体の長としてのふるまい」だと思う。
そこでは宗介独特の「一人はみんなのために、みんなは一人のために」というゴリゴリのコミューン思想や「座員の為には出来る限りの援助を惜しまない」というリーダー論が語られている。
勿論、恩を売ることで虚栄心を満たして充足感を得るという身勝手な考えもあるが、宗介には確固たる座長としての矜持がある。
 
家族であれ、趣味の集まりであれ、会社であれ、他者と行動を共にするという事はイコール小さな共同体を形成するという事だ。その中で、特に30歳を目前にすると、世間では1プレイヤーとしての役割よりも管理者としての資質を求めてくる。
 
勿論彼らの環境を考えると、一般社会の同世代の役割と重ねることはできないが、年齢としては"長"としての役割を知っていても遅くはない。
今回の芝居がこれからのとっつーのこれからの活動に良い影響を及ぼす事を願ってやまない。